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しがないフリーランスIT系エンジニア

Windows用ターミナルソフト MobaXterm と RLogin を簡単に比べてみた

先日、@satoru_takeuchiさんのこちらの動画を見てたところ、未チェックのターミナルソフトを利用していたので、早速DLしてメインで使っているRLoginと比べてみました。

最初に一言でまとめると、MobaXtermは超多機能である。
ということでSSHTelnet、コンソールだけで良い場合は、RLoginとは好みで使うほうを選ぶと良いと思いますが、タブ分割を自由にしたい場合はRLoginです。

今回使っているバージョンは以下です。
RLogin v2.25.2
MobaXterm PersonalEdition v20.2 Build 4296

GUI f:id:knhko:20200601130636p:plain

MobaXtermはデフォルトでWindowsのテーマを見るようで、自分はダークテーマにしているので追従して黒いテーマになっています。こちらは設定から変更出来ます。
MobaXtermは色々アイコンやらが大きく目立ったデザインですが、アイコンを小さくしたりして以下のようにも出来ます。
f:id:knhko:20200601131242p:plain

なお、RLoginはメニューバーやツールバー等の表示・非表示が出来ます。

・接続方式
RLoginはCLI系であれば特に足りないといった問題は起きたことはないですが、MobaXtermはファイル転送系やGUI系のアクセスまでサポートしています。 f:id:knhko:20200601132251p:plain

この時点であまりの多機能ぶりに困惑しているのですが、今回は個人的に利用頻度の高いSSHにフォーカスを当てます。
設定可能項目に細かい差異はありつつも、両方とも基本的なところは抑えているように思います。使う分に問題は発生しないのですが、大きく違うなと感じたところは以下点です。

MobaXterm
- クライアントサイドでシンタックスハイライトが出来る
- 接続先単位でタブの色を変えられる
- 接続先のリソースを表示できる
- Cygwin内蔵(個人的にCygwin使わない派なので割愛します。

RLogin
- 接続先単位で背景を設定出来る(MobaXtermでもできたら
- タブ分割が自由にできる

それぞれどういうことか、というのが以下です。 f:id:knhko:20200601134648p:plain

MobaXtermはログインの時点でLast login: Mon Jun 1 00:39:00 2020 from 192.168.1.12シンタックスハイライトが効いているのがわかります。
タブについても3つ目のタブが薄く赤になっており、選択すると真っ赤にかわります。なお、背景は黒(別で設定可)のままです。
さらに、ターミナルの下部にOSアイコンやリソース情報等がズラズラっと表示されます。MACのiTerm2のようで良いですね。

RLoginについては、背景画像を指定して透過度合も設定出来るので、本番サーバとかわかりやすい背景にしたりできます。
タブの分割について、MobaXtermでも可能なのですが、左右2分割、上下2分割、4分割の3パターン固定の分割になります。RLoginでは細かく分割でき、サイズの調整も可能です。 f:id:knhko:20200601135614p:plain

自分はこの自由な分割機能がお気に入りでRLoginを愛用してます。

なお、SSを見るとわかる通り、MobaXtermではSSHと同時に画面左側にSFTPが出来ます。RLoginもSFTPボタンがあるので、それを押すと以下のようにSFTP画面が出てきます。もちろん画面外のフォルダからファイルを持ってきて直接転送出来ます。 f:id:knhko:20200601140343p:plain

・MobaXtermの便利機能
これは「SSH client, X-server and networking tools」と言っているだけあって、便利だなと思ったのがネットワークツール群です。
1つ目は「Network services」で、各種サーバを簡易的に立てられる機能です。似たようなツールでBlackJumboDogというものがあり、一部カバー範囲は違いますが用途が合うようであれば併用せずに済ませることが出来ます。 f:id:knhko:20200601141331p:plain

2つ目は「MobaSSHTunnel」です。所謂ポートフォワーディング機能でそれ自体はRLoginにもあるのですが、MobaXtermはそれをGUI化しているため、どうやるんだっけ、という場合でも直ぐに設定出来ます。 f:id:knhko:20200601141656p:plain

3つ目は「Network scanner」「Ports scanner」です。
これは環境によって利用が禁止されていたり、制限されているケースもあるので、本番環境(オフィス含め)では使ってよいかどうかを確認してから使ってください。(なので有償版では機能をオフに出来るようですね)
これも他のツールと同等の機能を有しており、NetworkスキャンしてそのままPortスキャン出来るので、これまた機能が十分であれば併用せずに済みます。 f:id:knhko:20200601142126p:plain f:id:knhko:20200601142741p:plain

他にもパケットキャプチャも出来るようですが、自分はWireshark派なので割愛します。。。

他にも「MobaTextEditor」という他のツールを頼ることなく、接続先のファイルを編集して保存・転送出来る機能です。
他にもログ出力やマクロ、複数接続先に対して同時に同じコマンドを送る「MultiExec」(RLoginではブロードキャスト)といった基本的なことももちろんできます。
右クリックの動作もペーストかコンテキストメニュー表示か変更することもできるので、右クリックペースト派も安心です。

ちなみにディスプレイが壊れて映らなくなったMBPがあり基本SSHで使ってたまにVNC接続するのですが、(あたりまえっちゃあたりまえですが)MobaXtermのVNCで接続出来ました。 f:id:knhko:20200601144735p:plain

あと、ここまで多機能だと動作がもっさりしてるのかなーと思ってましたが、全くそのようなことはなくどの機能もサクサク動きました。

ということで、データセンターやオフィスネットワーク等の現場で作業する方にはかなりおススメ出来そうなオールインワンツールです。無償版では一部セッション等に制限があるので注意ですが、有償版はセッション数無制限や様々な機能拡張に1年の更新サポート等が約$70ということで、MobaXterm一本化したい、という方は購入しても良いんじゃないかなと思います。